判断能力が不十分な方々を、法律面や生活面で保護したり支援したりする制度です。
私たちは契約を前提とする社会に生きています。スーパーで肉や野菜、あるいはコンビニでお弁当を買うのも契約書を作ったり、印鑑を押したりはしませんが、契約です。
しかし契約をするには、自分の行為の結果がどのようになるか判断できる能力が必要となります。判断能力が不十分な場合、そのことによって不利益を被ってしまうおそれがあります。
そうならないように支援するための制度が成年後見制度です。
今は元気。でも、将来が心配。
もしも、判断能力が不十分になったら、支援してくれる人が必要。
そんなとき、支援してくれる人と将来の約束をし、支援内容を決め、 あらかじめ本人と支援者の間で任意に契約を行う制度です。
加齢にともない、様々な点で能力が減退するのはやむを得ないことです。しかしそうなっても今までのように困らないようにしておきたい。そんなときに支援してくれる任意後見人を事前に依頼する制度です。
私の母(もしくは父)が認知症になった。判断能力が不十分なために財産管理や、法律行為をすることが困難になっている。
判断能力が減退している高齢者は、巧みなセールストークに根負けしたり、だまされたりして不本意にも契約をしてしまうこともあります。また、ヘルパーさんを手配したり、入院したりすることもあるでしょう。
こんなとき、その人のために、取消ができたり(同意権・取消権)、その人に代わって入院契約をしたり(代理権)する人が必要になります。
でも、すでに判断能力が不十分になっているので、任意後見契約のように契約によって依頼できません。
そこで、法律がそのような役割を担う人を決める仕組み、これが法定後見制度です。法律によって、支援者を定めることにより、法定代理人という位置づけになります。
この法定後、判断能力の有無や程度については家庭裁判所が判断します。